2011年07月18日

「堀のない場所」

軽井沢には、隣との境に塀がない。木立の生い茂る別荘地は、ほとんどいちいの木で仕切られている、それが、この地の景観を格別なものにさせているのだが、時にはトラブルも起きることがある。

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過日、委託している管理会社の立て札の上に、無記名で、「運行の邪魔になりますので、木の枝をお切りくださいますようにお願い申し上げます」という内容の紙が貼られていた。我が家の名前の立て札の上に貼られているのではなく。

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気づいたのが、ちょうど出かけるときだったので、一瞥した後、また、もとの場所にチョコリと貼り付けておいた。翌朝、玄関先にでると、それまで二つ折りになっていた紙が、ご丁寧にも一枚に開かれていて、べっとりと貼り付けられている。

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そこで、管理会社に連絡をして、互いに首をひねった。言葉つきこそ丁寧ではあるが、人間の生の字ではなく、パソコンで打ってある。通常、こうした事柄は、無用なトラブルを避けるために、管理会社同士で話し合うことになっているらしいのだが、無記名なので、それもできない。それに、どう、想像しても、いちいの木の枝が走行の邪魔をしているとは、とうてい思える状況ではない。ところが、二、三年前に切りすぎて、ようやく、我が家の奥まっている庭やベランダに、目隠しが、かろうじて、できるか、できないか、と思えるくらいの枝である。

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ただ、ひとつ。隣接している方の御別荘の木が生い茂っているために、後ろから出てくる枝々は、太陽の光を求めて、斜め上空に伸びてゆくしかないのだ。なんとも口惜しかったが、道がカーブしているぶん、わずかに飛び出しているいちいの枝を切ってもらった。もちろん、これから先、何かが生じた時のために、切り落とした枝などを、きっちりと写真に残すことにして。おかげで、また、裸に近い気になってしまったが、仕方がない。

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その数日後、お隣の家の玄関先にも、去年、全く、同じ紙が貼られていたことがわかった。どうやら、同一犯のようである。
「かっては、木の枝が重なり合って、はじめてお隣様と言われていたものでしたのにねえ・・・・」
管理会社の人の言葉に、千金の重みを感じた。

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posted by アンジェリカ at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 立木アンジェリからのお便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする