2013年08月02日

新しい夏

 もとより仕事人間であったパートナーが退職して一ヶ月が過ぎ去ろうとしている。
 その日が近づいてきても、次のビジョンが何も見えなかったので、はたから見ていて、大丈夫かなあ、と勝手に不安がっていた。七月初め、突然、気温が35度近く連日なっても、ひとりで山に引きこもることを躊躇していたら、愛犬の様子がおかしくなってしまった。片方の目の玉が上に上にとずれて瞼の中にほとんど埋もれてしまったのだ。
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 百パーセント、ストレスだった。生後三ヶ月から山暮らし中心で、こうした暑さは知らないのだ。「やっぱり軽井沢にゆこうかなあ・・・・」とポツリと言うと、「そうしろよ。今まで、どうして行こうとしないのか不思議に思っていた」と。そこで、わけを話すと「そんなことはお前の思い込み。俺は、今、自由の時間を楽しんでいるんだ」と。
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 軽井沢に来ると、翌日から愛犬の目は嘘のように元に戻ったが、さてさて、パートナーの言葉が真実なのかどうか、ふと、考える。夫は、普段は無口で「決してくじけることのない男でありたい」と常に念じてきたようである。故に、この時期も、言葉に出さず、ひとりで、時の流れや、その悲壮感などをじっくりと心静かに受け止めようとしているのではないか、とこれまた勝手に推測した。
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 今年は窓からむせかえるほどの緑の重なり合いを眺めていても、これまでとは、ちょっと違う気分で眺めている。人には、良き思い出さえあれば生きてゆける。と何かに書いてあった。今の私の、第二の青春時代をやっているので、その心境はわからない。それが、ほんとうであったら、どんなに楽になるだろう。
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 ただ、ひとつ。パートナーが新たに挑戦し始めたのは、料理。これまでも気分転換にいくつかの献立を保持していたが、レパートリーがグンと広がった。そして近くに住んでいる娘と孫二人を招待して、その腕前を披露しだしたのだ。電話で報告してくれる娘の弾んだ声がなんとも幸福感を誘う。そうか、筋金入りの仕事人間は、退職して、初めて娘や孫の良さを知るかもしれない。名称未設定 4.jpg
posted by アンジェリカ at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 立木アンジェリからのお便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする