2013年11月22日

病気と幸福

長らく病気療養中でしたが、今回より再開いたします。
よろしくお願いします。

八月初め軽井沢で婦人科の検診を受けた。これまで苦手意識が強くて一度も試みたことがなかったのだ。が、さらりと大きな腫瘍があると宣告されて呆然自失した。急遽東京に戻り、日赤で本格的に検査を開始した。開腹手術を経て、病理検査の結果が良性と判定され今に至っている。今回は、なんとか最短コースで終わったが、検査と検査の合間は決断の連続で、怒涛の三ヶ月だったように思える。
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今年の夏は、パートナーも定年を迎え、どことなく気分が停滞していて、どのように自分を奮い立たせてゆこうかと思いあぐねていた矢先の出来事である。気軽に受けたためか、宣告位された時は、死刑台の階段の中に立たされたようなもので思考回路が正常に動かなくなった。ただ、ひとつの救いは、あたふたしているパートナーを尻目に、ひとリ娘が大活躍してくれたのだ。
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このエッセイでもたびたび書かせていただいたが、私の日常生活での一番の悩みは、今ひとつ娘との関係がしっくりとゆかぬことで、互いに努力はしているにもかかわらず、近づけば近づくほど傷つけあう結果になり、「ひょっとしたら、私のことを憎んでいるかもしれない」などと推察し、身震いしたものだ。故に、教会でミサを受けるたびに、「どうか、道をお示しください」と祈り続けた。
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それが、いざ、ことが起きたら、まるで、この時を待ってましたというばかりの勢いで、きめ細かく病気の中身を調べ上げ、検討し、病院探しからセカンド・オピニオンの医師の選定、付き添いまで、ブルトーザーのごとく動いてくれた。ひとりになると、こみあげてくる涙をぬぐうことなく、「病気なって良かった・・・・」と実感した。これで、もう、最悪の事態になっても食いはない、とさえ思えたものだ。
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退院後、週に一度、娘はふたりの孫を連れてやってくる。昔から和食の料理が得意のパートナーが、大張り切りで夕餉の支度をしている。キッチンにだしをとっている日高コンブの匂いが充満して、誰よりもリラックスした様子で、はじめたばかりの仕事の話をする娘、私はその顔を見て、目を細めている。
ああ、幸せが舞い降りてきてくれた!と名称未設定 5のコピー.jpg
posted by アンジェリカ at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 立木アンジェリからのお便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする