2015年06月05日

ワインと人間

 先だって、三十年近くメンバーになっている青山の会員制レストラン・バーで、これまた三十年以上姉弟のように交流してきた友の祝いを兼ねて、中央葡萄酒の社長さんと御一緒できるチャンスがあった。
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 フォアグラなどフレンチのコース料理それぞれに六種類のワインが付くディナーなのだが、私は酒類はグラス二杯ぐらいでできあがってしまうタイプなので、これまで敬遠してきた食事会でもあった。が、今回は三澤社長の説明付きという贅沢な企画でもあった。
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 食前酒は、もったりしていたシャンペンだったので、前菜とともに出された白ワインを一口含んで驚いてしまった。こんなにおいしい白ワインがあるなんて目からうろこ。若かった頃、世界第四位になったソムリエの木村さんもこのメンバー制のレストランにいたので、極上の赤ワインの味わい方を自然に学んでしまったせいか、ワインだったら赤、とどこかで決めてしまってきたようだ。

 私ごときが感想を言うのはおこがましいが、成熟しているのにさわやかな清涼感があり、切れ味がいいくせに飲み終わったあとに喉ごしから湧き上がってくるものがある。絶句していると、これが今、ヨーロッパで大評判になっている「キュベェ 三澤 甲州」だと、説明があった。
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 {良い葡萄を育てるには、厳しい環境が必要なんです} とおっしゃる三澤社長の人となりに興味を抱いた私は、同じテーブルにいる時、「やはり葡萄作りは人間にもいえることですか」と振ってみた。すると、「もちろん、まさしく、それです」みたいな返答を頂き、こんな話をしてくださった。
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 「このワインの葡萄は、十分、水をやらないのです。沢山水をやると木の方が育ってしまい、ワインが水っぽくなってしまうのです。また木を競争させるために、無理に近くに植えるのです。でも近くに植えすぎると・・・・」「ガサガサしたものになりすぎてしまう」生意気にも私が答える。夜、十一時、日帰りで山梨にお帰りになる前に「最近、この年齢で決意して始めたことがありましてね。福島のことで自分ができることといえば、魚を食べて汚染されていないことを証明できればいいな、と。三十代の人たちにはできないことですよ」といとも簡単におっしゃっていた。私も団塊世代、葡萄の木にだけ厳しいのではなく、ご自分にも課していることがあるのだなあ、とため息をつく。
posted by アンジェリカ at 17:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 立木アンジェリからのお便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする