そこで私は言う。そうかなあ・・・。「だって脳って、かなりいい加減なんだよ。カロリーカットの甘味料を使っても、きちんと騙されて満足感・報酬感がもらえる。だから朝は何も食べずに、お腹がすいてきた昼近くになると、噛んで噛んで満腹神経を刺激してみた。にんじんなんかを何十回と噛むのはまずいから。らっきょうやザーサイ、にんにくなどを。
すると十分から十五分すると、たまにはゲップまで出たりするくらい満足感が出てくる。脳は、きちんとだまされてくれる。だから、わりと苦労せず夕方五時までもつみたい」と。
テレビで長生きしすぎて老後破算になる例をみた後、かなり本気で倹約を考えた。それが、今回のダイエットのキッカケでもあったが、三か月目に突入した今、若き頃から文化系一筋だった人間が、体育会系の要素も大いに取り入れて生活改造を試みている。自分のこととはいえ驚きの連続だ。
まず軽量化により、腰の背後にうずくまっていた小さな爆弾痛みが消えて楽になり、毎日、ウオーキングをしたくなってしまうのだ。どんなに豪華なスポーツクラブに所属しても、身体を動かすことが嫌いで続かなかった自分が、電車、タクシーに乗らず、「一駅くらい歩いてみようかな」と呟く。心が呟くのではなく身体の声が・・・。
そして紙面に記すのは、ちょっと控えたいところだが、実のところ私は結婚して子供を産んでからの気の遠くなるほどの歳月、週に一度あるかないかの人で、これまで人知れず悩んできていた。否。悩んでいたというのは嘘になる。もう慢性化してしまって、こんなものか、と諦めていたのだ。それが・・・今は、とうとうあの悪名高き? 「せんな」を煎じて、日々、「いかに大腸に気持ち良く動いてもらうか」に挑戦している。
あと、二キロ痩せよう。六十を切ったら、そこでキープの方向に舵を切りたい。だけどなんですね。これまで考えていたよりも、ずっと、ずっと脳っていい加減なところがあるらしいので、「物事、深刻に考える癖」がなんだか馬鹿馬鹿しくなってきて、ウ・レ・シ・イ・ナ。