2020年06月07日

散歩嫌いシンバ その三

 自粛解除になっても、心も体もかえって萎縮してしまっているように感じるのは私だけだろうか。もし、調子に乗って解放し過ぎたら、とんでもないことが待っているかもしれないと、どこかで思っているせいだろう。
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 この数ヶ月、シンバといると「 いい子ですね。まったく吠えない 」と言われる。「 どうやったら、こうなるんですか 」とも。アパートに来るクリーニング屋さん。宅急便便のお兄さん。タクシーの運転手さん。共通しているのは、一度、飼ったことのある方で、犬の鳴き声で苦労なさったということ。
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私はこの時ばかり偉そうにのたまう。「簡単ですよ。吠えない躾をしたからです 」。それというのも、二頭めのイングリッシュビーグルの時は日がな苦労した。二十七キロある体で、留守番をさせると、寂しがり、吠えまくっていた。隣家の一戸建てがアパートになってからは、郵便受けに「犬を始末しろ」と書かれた用紙が入っていたこともある。お巡りさんが訪ねてきて、「 また、通報がありましたので、来ないわけにはゆかなくて 」と詫びてくる。 こちらこそ、と深く頭を下げて、帰って頂く。
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 そこで、三頭めの桃太郎が、我が家に到着したその日から、眠る時にはゲージに入れ、垂れ幕をかけて、クンクン鳴いても、キャンキャン鳴いても、ギャンギャンやられても、そのまま放っておいた。すると、1週間もしないうちに 鳴かなくなった。鳴いても無駄だと習得したようである。
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 先日、八ヶ月ぶりに軽井沢に新幹線で行った折り、普段はやんちゃなシンバがゲージに入って、ワンとも鳴かずに静かにしてくれていた。そして、他の犬のいない道を嬉々として歩くことを知った。散歩ができない。それは、我が家の場合、「 吠えない躾の弊害」なのだと思い至った。あっちが良ければ、こっちがダメというわけだ。
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 吠えまっくっていたイングリッシュビーグルの茶太郎は、雷の音以外怖いものはなく、西原の筑波大跡地で、仲間達と意気揚々と遊んでいた。親達は名前も知らず、犬と共にバスを連ねて、油壺までバーベキューをやりにいったこともある。その跡地も 今は 区の施設になっている。最近、シンバは、「 ママ、どうしてあの子は吠えるの 」と訴えるように私を見上げてくる。私は答えに躊躇する。
posted by アンジェリカ at 22:14| Comment(0) | 立木アンジェリからのお便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする