
過日、古い友人と電話で長話をしていた。もう気の遠くなるほど顔を合わせてない友人で、年賀状だけは欠かさずやりとりをしていたが、このコロナ時期、互いにラインよりも、直接、お喋りをする方が好きという共通コミュニケーションが主なる理由の関係だった。

ゆっくりと、時間をかけて再び友情を温めなおしてゆけばいいと思いながら、一時間近く気分良くよもやま話をしている最中、そこで、私は大失敗をやらかした。
昔、昔の友人仲間の一人を、名前が出ただけで、とっぴなことで誹謗し始めたのだ。途中、はっと気づいて、「 ああ、居ない人の悪口言ってしまった。このくらいにしますよね」という感じで自然に話題は他へ流れていった。お酒をちびりちびりやっている彼女も、別段、肯定、否定するのではなく、和気あいあいと電話は切れた。

その夜、ぐちゃらぐちゃら考えた。どうして自分はあんなことを口にしたのだろう。私のどの口が言わせたのだろう。ストレスか。嫉妬か。競争心か。今まで、その人に対して、羨ましいと思ったことは一度もないのに、、、。ただ、電話の相手が未だに親しいと知らなかっただけのこと。それなのに、、、。嫉妬だと断定はできないが、多分、嫉妬なのだろう。突然、スイッチが変わったとしかいえない。

夫がいれば、「今日こんなことしちゃった。私って馬鹿だね」と言えば「誰にもあることさ」などと答えてくれるからサラリとすんでしまうが、そうした相棒はもうこの世にいない。だから、ずっと引っ張っている。
そして思うのだ。自分にこんなに醜い面があることは驚きだが、認めなくてはならない。もっと清廉潔白だと思ってきた。だからこれからは仲間内で意地悪を耳にしても、ツノを出さず、スルーしてゆくことにしよう。怒ったりする資格は自分にはないのだから、、、。大きな失敗、大歓迎。
