2026年04月12日

ある日、突然になる

 二月、後半、すっかり寒さに慣れて気持ちがいいな、と散歩に出ると、数日後、急に暖かくなる。一日おきにくる低気圧と高気圧は、自律神経をおかしくして、身体がだるくなり、動きが鈍くなる。気分転換に美容室に行くと、美容師さんとの会話はほとんど「花粉症」の話になる。私の担当の彼は、ある日、突然、なったという。それもかなり重症で、鼻が詰まり、夜も眠れないという。薬を飲んでも効かず、レーザーで焼くか、ステロイドの注射を考えているそうだ。
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 技術力は海外のショーにもでているので、変わらず素晴らしいが、その辛さを聞いているだけで、こちらも怖くなる。いつ、自分もなるかわからないからだ。その「ある日、突然になる」ということに関しては、花粉症ではないが、私にも別の体験がある。ある日を境に、高いところに登れなくなってしまったのだ。
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 それまで都庁はじめ京王プラザなど、副都心の最上階に出向いて夜景やら楽しんでいたというのに、数年前の春先、身体の調子が悪い時に、気分転換になると思い、横浜マリンタワーのエレベーターにヒョイと乗ってみたら、動きだした途端、立っていることができず、その場にしゃがみ込んでしまった。私 ひとりだけだったので、他人様に迷惑をかけることはなかったが、屋上に着いた時は、冷や汗と震えとめまいで打ちのめされ、壁つたいによろよろ歩いて、下りのエレベーターを待った。その数分の 時間の長かったこと。
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それ以来、高層ビルを見上げるだけで怖くなる。つまり、一瞬にして、身体が硬直して、数年前の 現体験に戻ってしまうのだ。これがパニック障害かな、と思ったり、「高所恐怖症は、落ちることを想像するからだ」との言葉を思い出す。
 そこで考えた。まず、ケーブルTVで、往年の「スーパーマン」を何度も何度も見る。クラークケント扮する クリストファーリーブが空を飛びながら、腕を伸ばし、こちらをチラリと見て微笑む。あの微笑に、どれほどしびれたものか。次に「スパイダーマン」。蜘蛛の糸で、ビルとビルの谷間をブランコのように自由自在に躍動する。そして「バットマン」。それらの映像が  脳に焼き付くまで見ようと試みた。
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 おかげで、今も、高いビルを見上げると、まだ、ゾクとくるが、パブロスの条件反射のように、マントを背後になびかせたカッコイイ、スーパーマンがそこから飛び出してきて、悠然と空を飛んでいる映像が浮かんでくるようになった。
 それを美容師さんたちに話すと、みなさん大笑いしてくれる。なんとか花粉症も、このように治るマジックはないものか。二十名いる社員の十名が花粉症だという。
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posted by アンジェリカ at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 立木アンジェリからのお便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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